AKG『K550MKII』ジャンクなヘッドホン三連戦③修理・改造編

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AKG K701とK240のジャンク品を購入する際、実はもう1台購入していました。

それがAKG K550MKII。

もちろんジャンク品です。

ジャンク理由が「音のバランスが悪い。」でした。

格安で売られていたので、直せたらラッキーだな、と思っていた時には支払いをしていました。

ジャンクヘッドホンを2台も買って、歯止めが利かなくなっていたんでしょうね。

もちろん、左右の音量バランスを直す術など持ち合わせておりません。

 

そして届いたK550MKIIこちら!

 

 

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写真を取り忘れました!

代わりの画像を…

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AKGの密閉型ですね。

一体どんな音を鳴らせてくれるのか。

心を躍らせながら試聴しました。

 

左が全く聞こえないのです。

1対9位でしょうか。

バランスが悪いどころではありません。

何はともあれ、原因を調べてみましょう。

 

まずはケーブルを疑ってみます。

断線しかかっているのかも。

 

音楽を流しながら、ケーブルの根本から順にグリグリして行きます。

変化はありません。

とりあえず、ハウジング内を確認してみます。

 

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イヤーパッドを外してみます。

密閉型はよくある構造みたいですね。

ネジを外していきます。

 

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K701とK240を続けて修理すると、この構造が逆に新鮮です。

見た感じは問題なさそうですが、導通をチェックします。

プラグとの間をチェックをします。

向かって左から、細赤R+へ、赤R+、細緑R-へ、白L-、黄L+でした。

断線はしていません。

原因はドライバーでしょうか…

一度、配線を全部外しちゃいましょう。

 

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白くへばり付いている接着剤は、ボイスコイルから来てるエナメル線を止めているものです。

取らないように気をつけましょう。

また、その周辺をハンダする際は長く当て続けないようにしましょう。

熱でエナメル線が切れるかもしれません。

って、AliExpressのドライバーユニットの販売ページに書いてたよ!

これでテスターを当てて抵抗を測ってみます。

32Ω…正常です…

ここでもう分からなくなってしまいました。

 

あと出来ることは、配線を完全に引き直す事です。

残ってるケーブルで、K240みたいにケーブル交換をしてみましょう。

症状が改善される可能性があります。

sat03.hatenablog.com

 

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ケーブルがハウジング内に進入している部分です。

固定されているカバーを外します。

 

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ブッシュは簡単に抜けました。

K550のケーブル交換は簡単ですね。

 

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ケーブルが通ってた穴です。

…う~ん。…う~ん。

 

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ガリガリッゴリッゴリッ!!!!

 

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ウイーンウイーン!!!ザザザザザッ

 

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スポッ。

われの願い、今こそ叶えん!

前回、前々回と出来なかったジャックの取り付け、今回はいけそうです。

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大丈夫そうですね。

 

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昔、サウンドハウスさんで買って眠っていた、「CANARE L2B2AT」です。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/249700/

これを使います。

 

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左の+-をハンダ付けます。

 

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ケーブルを通した状態で作業すれば楽ですよ。

 

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右chから来る細いケーブルは、ターミナル基板を経由せずに直接ジャックにハンダ付けします。

白と緑を同じマイナスにハンダ付けして、GNDを共通にします。

 

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ナットを締めて固定します。

あ!

ハンダ付けする前に、先にケーブル側へナットを通しておいてくださいね。

後悔します。

後悔しました。

 

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ちょっとぎゅうぎゅうですが、まぁ大丈夫でしょう。

あとはケーブルを左のドライバーユニットにハンダ付けします。

 

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勝利の時は来た!

この俺はあらゆるジャンクに屈せず、己の信念を貫き、ついにAKG三連戦を戦い抜いたのだ! ヘッドホンは再構成されるー!

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はい、左の音は変わらず聞こえません。

少しは良くなっていました。

まだ3対7位でしょうか。

 

もう分かりません。

原因はドライバーだと思うのですが、音は小なり出てる。

抵抗値は正常。

とりあえず見てみます。

 

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なんやコレッ!?

振動板がボコボコやないか!

きっとこれだ。

これが原因としか考えられません。

でも、どうやって戻しましょう。

もうあれしかないですね。

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前代未聞!振動板に掃除機をかける男!

ゆっくり、ゆっくりと振動板を吸っていきます。

 

結果がこちら。

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キレイになりました!

まだ少し凹みがありますが、テストしましょう。

もう自分の耳が信じられなくなったので、スマホアプリで測定します。

 

 

低中高の周波数を流し続けて左右の測定をしました。

左右とも、±1 dB位の揺れはありましたがバッチリ直りました。

 

さて、外した純正ケーブルですが、AKGのロゴがカッコいいのです。

 

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これで一本作ってしまいましょう!

 

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芯が柔らかいので、ちょっと無理して収納もできます。

 

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出来ました!

ロゴがカッコいいですね。

試聴をしてみましょう。

AKGの密閉式はどんな音でしょう。

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ずっと聴けますねコレ。

開放型に負けないくらい音場広いです。

キレがあり、音抜けがよく、中高音はAKGらしくキレイで伸びのある音です。

低音はK701より出てます。

しっかりと太い音で支えてくれます。

でもEDMとかを聴くのは違います。

そして、聴き疲れしないんですよね。

これはメイン機の仲間入りです。

 

 

AKGヘッドホンのジャンク修理3連戦が終わりました。

やっぱりヘッドホンは聴いて楽しい、見て楽しい、いじって楽しい。

 

このK550せっかくリケーブルが出来るので、ケーブル何本か違いを試してみたいですね。

その感想を書ければ良いと思います。

 

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あれぇ?君たちもジャックを付けやすそうな体してるねぇ?

リケーブルしちゃうぞぉ?