水月雨(MOONDROOP)『夢回 - Golden Ages』レビュー。LDAC・LE Audio対応の平面駆動型TWS

水月雨から新作ワイヤレスイヤホン「夢回 - Golden Ages」が発売されました。

最大の注目ポイントとして、水月雨初となるLDAC・LE Audioへの対応と、13mm平面駆動型ドライバーの採用です。

筆者は普段、SONYのWF-1000XM4を愛用していますが、本機は日本製のワイヤレスイヤホンと比べてどのような性能なのでしょうか?

購入して3週間ほど使用してみたので、比較も含めてレビューしていきます。

価格は、日本で約13,500円、海外で約80ドルです。

さぁ、見ていきましょう。

 

パッケージ

TWSでも水月雨らしさ全開のパッケージデザインとなっています。

今回はポップな水月友希ちゃんのイラストでした。

裏側には仕様が詳しく記載されています。

 

高級感のある黒い化粧箱となっていました。

化粧箱の中は、イヤホン本体や付属品が丁寧に収められています。

アクセサリー

  • 充電ケース
  • 充電ケースカバー
  • USBケーブル
  • シリコンイヤーピース:S/M/Lサイズ ※別にMサイズが本体に装着済み
  • 説明書、ワランティカード、案内カード

基本的な付属品に加え、充電ケースカバーが付属しているのは嬉しいポイントです。

イヤホン本体

形状は、耳にしっかりとフィットするショートスティック型を採用しています。

スティック部にはタッチセンサーが内蔵されており、音楽再生や通話などの操作を簡単に行うことができます。

スティック下部分にはマイクが備わっています。

ハウジングは少し大きめで、楕円形のノズルを採用しています。

 

重量は片側わずか4.4gと非常に軽量で、長時間装着しても負担になりにくいです。

ワンポイントにオレンジ色が使われており、オシャレなデザインに仕上がっています。

充電ケース

カセットテープがアクセントになっていて、レトロ調なデザインのケースです。

重量は35.6gでした。

背面に操作ボタン、充電用のUSB-Cコネクタはケース底面に備えられています。

技適マークは、パッケージ裏面とケース底の両方にしっかりと記され、日本でも安心して使用することができます。

 

ケース内部はオレンジ色が広がっています。

付属以外のイヤーピースを装着しても、スムーズに充電ケースに収めることができました。

スティックが摘まみやすく、ストレスなくケースから取り出すことができます。

 引用元:SONY|商品のあゆみ

本製品は、1979年に発売されたSONY初のポータブルカセットプレーヤーであるウォークマン1号機「TPS-L2」にインスパイアされたデザインです。

「Golden Ages」は直訳すると「黄金時代」を意味し、1979は発売年にちなんで名付けられました。

JOKERと同様に、本製品からもSONYへの深いリスペクトを感じることができます。

スペック

連続再生時間 イヤホン:最大6時間(AAC)
ケース併用:最大24時間
充電時間 イヤホン約1時間 ケース約1.5時間         
ドライバー 13mm平面駆動型ドライバー
Bluetoothバージョン            Bluetooth 5.3
対応プロファイル A2DP/AVRCP/HFP/HSP
対応コーデック SBC/AAC/LDAC/LC3
充電ポート USB-C
重量 イヤホン片側4.5g
ケース35.6g

13mmの環状平面磁気ドライバーは、エネルギー変換効率は、同サイズのダイナミックドライバーの4倍で、同サイズの平面ドライバーより大きなパワーを発揮します。

また、防水については表記がないので水濡れには注意が必要です。

使用方法

ペアリング

ペアリングは蓋を開けて背面の操作ボタンを長押しします。

正面のLEDライトが白く発光すればペアリングモードになります。

表示名「MOONDROOP Golden Ages」を接続させます。

ペアリングはとてもスムーズでした。

マルチペアリング機能は無く、蓋を開けるだけで前回の接続デバイスが自動で再接続します。

連動アプリ

MOONDROP Link2.0対応デバイスとなっています。

主な機能として───

  1. イヤホンのタッチ操作を自由にカスタマイズ
  2. 3種類のプリセットEQ設定
  3. ノイズキャンセリングや外音取り込み機能の設定
  4. 本体のファームウェアアップデート

EQはそこまでの大きな変化は感じませんでした。

また、購入後すぐのファームウェアアップデートをおすすめします。

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装着感

装着感は良く、本体が軽量設計のため、長時間装着しても快適です。

耳への負担も少なく、ストレスフリーで音楽を楽しめます。

音声案内

水月友希が音声案内をします。

ボイスも豊富で、ノイキャン選択時は「しーっ!」など可愛らしい声でアナウンスしてくれます。

充電が減った際の警告は、「Battery low」と、1回のみのアナウンスです。

また、そこから「Power off」のアナウンスまで15分ほどと短いです。

音質

プレイヤーアプリEQ未設定

フラットに近い特性だと感じました。

全体的にスッキリとしていて、水月雨らしいバランスだと思います。

特に中高音域は少し持ち上げられて、綺麗に出ています。

基本的にプレイヤーアプリのEQで自分好みの音に近づけて使用すると思いますが、EQを使わなくても十分に良い音で聴けました。

また、最小音量や音量の段階差は特に気になりませんでした。

機能

ノイズキャンセリング性能は、それなりです。

圧迫感はかなり少ないと感じましたが、近くの物音や話し声は普通に聞こえます。

また、外で使用すると、風切り音が大きいと感じられました。

外音取り込みは、十分に音を拾ってくれますが、「サーッ」というホワイトノイズが強いです。

マイクはクリアで、問題なく通話可能でした。

バッテリー持ちは、おおよそ公表値通りでした。

接続品質

LE Audioを楽しみにしていたのですが、Pixel 7aでは接続が不安定で使い物になりませんでした。

スマホ、イヤホンのどちらか、または相性の問題か分かりませんが、LE Audio目当ての場合は必ず事前にチェックすることをおススメします。

LDACは音質重視のコーデックですが、接続が不安定になりました。

Pixel 7aでは、990kbps/909kbpsの最高音質設定では途切れが頻発しましたが、660kbps/606kbps以下またはベストエフォート設定では安定しました。

音質と接続安定性のバランスを取るためには、再生品質の設定を変更する必要があります。

Androidの設定「開発者オプション」から変更可能です。

 

AACやSBCは比較的安定しているので、音質よりも接続安定性を重視する場合は、これらのコーデックを選択することをおすすめします。

遅延

夢回 - Golden Agesには低遅延のゲームモードが搭載されています。

アプリを使って測定します。

バイス / OS TWS コーデック / モード 1回目 2回目
pixel7a / android14 夢回 - Golden Ages LDAC / MUSIC MODE 690ms 619ms
LDAC / GAME MODE 429ms 403ms
AAC / MUSIC MODE 459ms 458ms
AAC / GAME MODE 240ms 242ms
SBC / MUSIC MODE 424ms 440ms
SBC / GAME MODE 176ms 161ms
WF-1000XM4
(参考)
LDAC 541ms 520ms
AAC 317ms 320ms
SBC 250ms 253ms

使用アプリ:Superpowered Mobile Audio Latency Test App 

筆者の環境下では公表している55msというレイテンシになりませんでした。

通常の使用であれば問題ないと思いますが、音ゲーFPSをプレイするのであれば、上記の結果では若干違和感があるかと思います。

比較

  夢回 - Golden Ages WF-1000XM4
連続再生時間 イヤホン:最大6時間(AAC) 最大12時間
ケース併用:最大24時間 -
充電時間 イヤホン約1時間
ケース約1.5時間
イヤホン約1.5時間
ケース約3時間
ドライバー 13mm平面駆動型ドライバー 6mmダイナミックドライバー
Bluetoothバージョン Bluetooth 5.3 Bluetooth 5.2
対応プロファイル A2DP/AVRCP/HFP/HSP A2DP/AVRCP/HFP/HSP
対応コーデック SBC/AAC/LDAC/LC3 SBC/AAC/LDAC
充電ポート USB-C USB-C / ワイヤレス
重量 イヤホン片側4.4g イヤホン片側7.3g
ケース35.6g ケース39.8g
価格 13,770円 約25000円、19,800円(終売時)

※e☆イヤホン価格

いつも使用しているWF-1000XM4は1世代前のモデルですが、夢回-Golden Agesと比較してみます。

水月雨らしい澄んだ高音と繊細な表現力を持つ夢回-Golden Agesと、力強く豊かな中低音域が特徴のWF-1000XM4は、対照的な音質で、個人的には優劣つけにくいと思いました。

ノイズキャンセリングの性能は、WF-1000XM4が圧倒的に優れています。

また、システム面でも、WF-1000XM4の方が安定性と接続品質が高いと感じました

LDAC接続でも途切れることなく、快適に音楽を楽しめます。

夢回 - Golden Agesは安定性に課題が残ります。

SONYのワイヤレスイヤホンとでは価格差通りの差があると思います。

総評

正直に言うとシステム面では未成熟だと感じます。

混雑した場所で使う場合は、接続品質やノイズキャンセリングにあまり期待しない方がいいでしょう。

ですが、音質は水月雨らしい綺麗な音で、自宅で使用するにはとても良いTWSだと思います。

デザインが好きだったり、水月雨らしい音質のTWSが欲しい方にはおすすめできます。

しかし、今後のファームウェアで改善されるかもしれませんが、接続品質やシステム面での安定性を重視する方には、購入を見送った方が賢明だと思います。

購入方法

必ず出荷元・Amazon、販売元・水月雨(MOONDROP)公式ストアでご購入ください。
 

 

SHENZENAUDIO

MOONDROP Golden Ages 13MM Planar TWS True Wireless Headphone (TWS)

 

シンセンオーディオでは可愛らしい専用のカバーも発売されました!

 

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