水月雨から「梅-MAY」が発売されました。
今回の製品は、平面駆動ドライバーとダイナミックドライバーのハイブリッドイヤホンです。
接続には、オーディオ用プラグではなくDSP内蔵のType-C端子が使用されています。
価格は約65ドルで購入し、1ヶ月ほど使用しました。
このイヤホンの特徴や音質が把握できたので、レビューしていきます。
梅-MAYはどんな音に仕上がっているのでしょうか?
さぁ、見てみましょう。
ここ最近で一番好きなイラストです。
水月雨には複数の絵師さんがおり、絵を見てどの絵師さんか分かるようになれば一人前と言われているとか、いないとか。
いつものように、パッケージ裏には製品のスペックなどが記載されています。
化粧箱は梅と三つ葉マークがエンボス加工が施されています。
最近、水月雨の箱が開けやすくなって好きです。
まるでiPhoneの箱のように、上蓋と底がスムーズに離れていきます。
付属品を見ていきましょう。
イヤーピースはシリコン製で3サイズ付属しています。
少し硬めで、ARIA2と比べて悲しくもグレードダウンした印象です。
説明書とカード類も付いています。
実は、装着方法のイラストは毎回イヤホンが変わっているのです。
イヤホンケースです。
某高級ブランドのTWSに付属しているケースみたいですね。
ケースもARIA2から若干デザインですが変更になっています。
ケーブルを見ていきましょう。
若干太めですがしなやかな線材です。
コネクタは0.78mm2Pinです。
Type-C端子をスマートフォンに接続するだけで、高音質を手軽に楽しむことが可能です。
独自のDSP機能を搭載しており、フルバランスでの出力が可能です。
PCMデコードも32Bit/384kHzまで対応しています。
さらに、マイク部にはボリュームコントロールや再生・停止が可能なボタンも備えています。
内容物は以上でした。
フェイスプレートはアルミの鏡面仕上げ、そこに梅や三つ葉のマークがプリントされていて可愛らしいです。
すぐに表面が傷つきそうなので、コーティング加工は必須だと思います。
ソケットは0.78mm2Pinなので、付属のケーブルだけではなく、リケーブルしてオーディオプラグで接続させて使用することが可能です。
ノズル口の直径は6.5mmとかなり太く、ステムの太さも5.5mmでした。
す、凄く…太いです…MAYのノズル…データ上だとトップタイの太さです。
イヤーピースを装着するのに苦労しそうです。
ステムは短いので、耳に当たったりなど違和感はなく、装着感は良好でした。
ハウジングはHEXAに似た樹脂製で、片側5.7gと平均的な重さでした。
【製品仕様】
ドライバー :1DD+1Planar(10mmサファイアメッキ振動板+6mm環状平面磁気)
感度 :120dB/Vrms
インピーダンス:30Ω±15%
周波数帯域 :7Hz-39kHz
新開発のサファイア蒸着複合フレキシブルサスペンションダイヤフラムは、クラシカルで美しい音色を再現し、広帯域でスムーズなレスポンスと高速トランジェントの超低歪みを実現。
6mm環状平面ドライバーは、8000Hzの高音域を、より低い歪み、より強い伸び、より豊かな滑らかさで処理し、自然で透明感のある高音域のディテールを実現します。
【使用環境】
アプリ :「SONY ミュージック」+「MOONDROP Link2.0」
ケーブル :付属ケーブル
イヤーピース:TRI 角笛 Clarion(Mサイズ)
エージング :50時間
アプリ「MOONDROP Link2.0」を使い、EQは「standard」に設定して評価します。
また、イヤーピースはTRI 角笛 Clarionを使用します。
ノズルが太く、付属のイヤピは装着できませんでした。
必死に戦いましたがダメでした。キレそう。
高音域は平面駆動ドライバーが出力していると思いますが、大人しいです。
ドライバーの説明にあった8000Hzの高音域が足りていないと感じます。
その影響か、明瞭感はイマイチで暗めな印象です。
中音域は厚めですが、分離感が足りていない印象。
ヌケが悪くて窮屈です。
ボーカルは近く、いつもの水月雨のイヤホンように上手です。
キレはあまりなく、柔らかめの低音域です。
深さはあまり感じません。
全面で押してくる圧があります。
音場広めです。
音像は大きいですが、定位感に問題はなし。
あくまでもアプリによるEQ調整が前提となり、音質を自分好みに変えることができます。
それを楽しむイヤホンですね。
パワーは十分で音量が不足することなく音楽を聴くことができます。
水月雨のDSPを初めて体験しましたが、想像以上に良い音質でした。
スマホに挿すだけでここまでの音質が手に入るならアリだと思います。
普段からDAPやアンプを使っているオーディオ好きではなく、スマホで音楽を聴いているライトユーザーにおススメです。
DAPやアンプ、ドングルDACなんて必要とせず、スマホと梅-MAYだけで高音質が楽しめる。
そんな一本です。
何度も言ってしまいますが「MOONDROP Link2.0」のアプリ(androidスマホ)を使うことが前提です。
これは筆者の個人的な感想ですが…
リケーブルしてMAYをSE接続で聴いた方が良い音です。
ですが、そうするのでれば、MAYである必要性はないと思いました。
1万円を出すなら別のイヤホンを選択します。
MAYは決して悪いイヤホンではなく、EQ調整をして遊ぶのも楽しくて、良い試みだとは思います。
しかし、いいとこ取りをして中途半端になってしまった感が否めません。
メインターゲットはDAPやアンプを持っていないライトユーザーだと思います。
ですが、そもそもライトユーザーは、TWSを使用して「スマホにケーブルを接続して音楽を聴くこと」は選択肢にないと思います。
水月雨はDSP内蔵のイヤホンを多く発売していますが、ブランドが流行らせたいものとユーザーの望むものにズレがあるのではないかという懸念だけが残りました。
せっかくの平面駆動のハイブリッドなんだからガッツリしたイヤホンが良かった…
水月雨(MOONDROP)公式ストアという出品者が正規販売店です。