【本レビューはKZ様よりご提供をいただいたサンプル品に基づき記事を作成し、プロモーションが含まれます。】
KZから新たに発売されたSymphonyは、平面駆動ドライバーとダイナミックドライバーによるハイブリッド型イヤホンです。
KZの平面駆動型といえば、PRシリーズが特に高い評価を得ています。
今回のSymphonyは、どのような音質なのか、他ブランドの平面駆動型イヤホンとの違いも含めてレビューしていきたいと思います。
では、KZらしさが詰まったSymphonyを見ていきましょう。
パッケージ
パッケージのサイズはエントリーモデルと変わりませんが、黒を基調としたシンプルでスタイリッシュなデザインになっています。
裏面には製品の仕様が記載されています。
アクセサリー
- シリコンイヤーピース:3サイズ
- フォームイヤーピース:1サイズ(イヤホンに装着済み)
- ケーブル:3.5mmL字プラグ、QDCコネクタ
- 説明書
エントリーモデルと比較するとグレードアップしていますが、使用することはないと思います。
製品詳細
フォルム
フェイスプレートは金属製で、開放型構造を採用しています。
シェルは樹脂製で、滑らかな質感です。
AS24と同等のサイズで、耳から少しはみ出る大きさですが、装着感は良好です。
重量は8.6gと、大型のシェルサイズや金属製フェイスプレート、ドライバー影響で樹脂製イヤホンとしては重めです。
ノズル口の直径は6mm、ステムは5.4mmほどで、平均的な太さです。
イヤーピースの装着で苦労することはありませんでした。
スペック
ドライバー | 13.2mm - Planar |
6mm - Dynamic | |
感度 | 95dB |
インピーダンス | 18Ω |
周波数帯域 | 20Hz-40kHz |
サウンド
使用環境
DAC :TOPPING E30(AK4493)
アンプ :TOPPING L30
ケーブル :KZ OFC銀メッキアップグレードケーブル90-3 (OFC-Silver)※終売品
イヤーピース:SONY EP-EX11M
エージング :10時間
音質
高音域
キラキラと輝くような明るく鮮明な高音域です。
突き抜けるような派手さがあり、シンバルや機械音は人によっては刺さると感じるかもしれません。
その場合、イヤーピースの交換やリケーブルで調整が必要になります。
中音域
解像度感が高く、こもった音とは無縁で、抜け感が素晴らしいです。
ダイナミック感があり、硬く無機質な音のイメージです。
音色に味付けが少なく、モニターライクなサウンドだと思います。
ボーカルは前に出過ぎることなく、演奏と一体感のある表現です。
低音域
ダイナミックドライバーから出力される低音域は弾力があり、深くまで鳴ります。
質量も多く、KZらしいドンシャリ傾向ですが、エントリーモデルのような荒々しさはなく、質が高くまとまりのある音質です。
ボワつきが少なく、速い楽曲にもしっかりとついてきます。
音場
普通から広めだと思います。
もちろん定位感も問題なし。
リケーブルやアンプについて
ケーブルやイヤーピースの交換は必須だと思います。
特におすすめのイヤーピースは高音域を安定させる「AZLA SednaEarfit MAX」で間違いないと思います。
線材がOFCのケーブルと相性が良いと思いました。
バランス接続であれば、ドングルDACでも問題なく使用できます。
シングルエンドで鳴らす場合は、Symphonyのパワフルな音質を存分に楽しむために、ポータブルアンプ以上の出力で鳴らすことをおすすめします。
他モデルとの比較
今回は手持ちの平面駆動型のイヤホンと比較してみます。
形状としては一番大きいのですが、装着感は他モデルと変わらないです。
モデル名 | Symphony | PR2 | Melody | STELLARIS |
---|---|---|---|---|
ブランド | KZ | KZ | Kiwi Ears | 水月雨 |
ドライバー構成 | 1Planar+1DD | 1Planar | 1Planar | 1Planar |
ドライバー | 13.2mm+6mmDD | 13.2mm | 12mm | 14.5mm |
再生周波数帯域 | 20Hz - 40kHz | 20Hz - 40kHz | 5Hz - 40KHz | 10Hz - 50kHz |
インピーダンス | 18Ω | 15±3Ω | 18Ω | 36Ω±15% |
音圧感度 | 95dB | 94±3dB | 102dB | 117dB/Vrms |
筐体素材 | 樹脂 | 樹脂 | 樹脂 | 金属 |
ノズル | 6.0mm | 5.8mm | 6.0mm | 6.2mm |
ステム | 5.4mm | 5.0mm | 5.4mm | 5.5mm |
重さ | 8.6g | 7.0g | 4.7g | 13.8g |
リケーブル | 0.75mm QDC | 0.75mm QDC | 0.78mm 2Pin | 0.78mm 2Pin |
高音域 | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
☆☆☆ |
☆☆☆☆☆ |
中音域 | ☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ |
低音域 | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ |
参考価格 | ¥10,000 | ¥7,500 | ¥13,500 | ¥16,000 |
価格は2024年3月6日時点の海外ショップでの販売価格に基づき円換算にしています。
KZ - PR2
決定的な違いは低音域です。
PR2は低音が少ないため、迫力が乏しいだけでなく、全体的に薄く聴こえます。
高音域は両機ともかなり近いですが、どこかPR2はガチャガチャして聴こえます。
Kiwi Ears - Melody
聴き比べするまでは気づきませんでしたが、Melodyの中音域は音に厚みがある一方で、抜け感が悪くこもって聴こえるように感じました。
一方、Symphonyはクリアで音が軽く、一音一音に空間があり、広く聴こえます。
ただし、万人受けするチューニングはMelodyの方かと思います。
水月雨 - STELLARIS
STELLARISは、Symphonyよりも明るく高音域が強調された特殊なイヤホンです。
ボーカルは前に出て美しく表現されますが、中音域から下は控えめなため、迫力に欠ける印象です。
このイヤホンでしか表現できない音の魅力はありますが、人に薦めるなら間違いなくSymphonyです。
総評
元々KZのドンシャリサウンドが好きということもありますが、筆者はKZ Symphonyをかなり気に入って使用しています。
KZの楽しい音作りを継承しつつ、さらに質の高い音質に仕上がっています。
13.2mmの平面駆動型ドライバーは、クリアで解像度が高い音質を実現しています。
更に6mmダイナクックドライバーが音の迫力や厚みを補い、楽曲の魅力を存分に表現しています。
比較した他ブランドの平面駆動型モデルと比べても遜色なく、むしろSymphonyはそれ以上の音質を実現していると思います。
さらに、約1万円という価格を考えると、コストパフォーマンスも非常に優れています。
KZ Symphonyはおススメできる1本です。
初めて平面駆動型イヤホンを購入する方にも良い選択肢だと思います。
KZサウンドが好きな方は間違いなく買いです。
販売情報
約70ドルにてKZ公式ショップにて販売中です。