Truthear『NOVA』レビュー。隙のないナチュラルサウンド。

Truthearから新作イヤホンの「NOVA」が発売されました。 

同ブランドのイヤホンは、ZEROから始まり、その後はHEXA、HOLA、ZERO:REDと、いずれも高い評価を得ています。

筆者も2022年において、最も購入してよかったイヤホンはHEXAだと考えています。

NOVAの価格は150ドル前後で、Truthearの中で最も高価な製品です。

一体どんな音を聴かせてくれるのでしょうか。

さあ、見ていきましょう。

 

パッケージデザインには、まるで天使のようなSHIROIが描かれています。

以前からTruthearの公式ホームページに公開されていた画像はNOVAで使用されたのですね。

では、あの悪魔のようなSHIROIは…ZERO:REDのように別バージョンの構想があるのでしょうか。

そして、パッケージ裏には仕様が記載されていました。

 

カバーを外すと出てきた黒いボックスには、使用上の注意書きが書かれています。

その中にはイヤホン本体と付属品が収納されています。

 

本体カラーと同色の青と黒のケーブルは、スタイリッシュなデザインが魅力です。

しかし、タッチノイズが気になります。

コネクタは2Pin0.78mm、プラグは3.5mm、線材はOCCの4芯ケーブルです。

イヤーピースにはフランジタイプ2種、フォームタイプ1種、シリコンタイプ3種が付属しています

 

カラビナ付きのケースが付属しており、質感が良くて高級感があります。

また、説明書と保証書も同梱されています。

 

内容物は以上です。

フランジタイプのイヤーピース、カラビナ付きのケース、シースがナイロン素材のケーブル。

いつも付いてくるイヤホンのアクセサリーとは違い新鮮で楽しいです。

 

フェイスプレートは青い羽根にも、青い鱗にも見えるような美しいデザインです。

大きめのシェルは全て樹脂製で、重量は片側5.4gと平均的な重さです。

装着感は良好で、耳全体にしっかりと収まります。

ソケットはは0.78mm2Pinです。

 

ステムにくびれがなく、ノズル口の直径は5.7mm、返しの部分が6.4mmです。

ノズルにある3つの穴は、すべて音導管に繋がっており、低音域、中音域、高音域の3WAYクロスオーバーを構成しています。

果たしてどんな音になるのか楽しみですね。

 

【製品仕様】

NOVAは、PU+LCP振動板を採用した10mmのダイナミックドライバーと、複合バランスド・アーマチュアドライバーを搭載した1DD+4BAのハイブリッド型イヤホンです。

・感度:123dB/Vrm@1KHz

インピーダンス:14.8Ω±15%@1KHz

・周波数帯域: 8Hz-40kHz

引用元:Truthear Official Store|NOVA

 

 

【使用環境】

・TOPPING E30(AK4493)+L30

・付属ケーブル

・付属イヤーピース(シリコンタイプMサイズ)

エージング20時間 

クセがなく、ナチュラルで質の高い音質。

音の分離感が素晴らしく、各音域が主張しつつもまとまりのある音に仕上がっています。

周波数特性はハーマンターゲットに沿っていますが、そこまでそれっぽくない印象です。

どんな楽曲でもそつなく鳴らし、苦手なジャンルはなさそうです。

全体的に高水準で質の高い音質で、音との距離感も素晴らしいです。

 

高音域は明瞭感があり、明るい音色です。

余裕を持って鳴らし、シャープさはありますが、キツさは一切ありません。

特にボーカルの倍音が美しく聴こえます。

 

滑らかで厚みのある中音域です。

ボーカルはよく通り、艶があります。

どの楽器も上手に鳴らしますが、特にスネアの音は優れているように感じられます。

 

低音域は柔らかく、ボワつきが少ない印象です。

高音域に対してバランスが良く、しっかりと主張がありますが、中音域を隠すことはありません。

サブベースはそれほど強調されません。

 

音場は普通から広めです。

奥行きはあまり感じられませんが、上下左右に広さがあります。

中高音域は広がり、低音域は中央に位置しています。

定位感が素晴らしく、特にボーカルは立体的に聞こえますが、バラつきはほとんどありません。

ボーカルがまるで頭の中心で歌っているのかと錯覚します。

 

アクセサリーについて

NOVAに付属しているイヤーピースやケーブルは、交換する必要がないという印象です。

もちろん、強調させたい音域や、足りないと感じた部分を補完するために交換するのも楽しいと思います。

 

アンプについて

1DD+4BAの多ドライバー構成ということで、アンプが音質に与える影響をチェックしてみます。

ドングルDAC(Shanling UA2)は8割、ポータブルアンプ(Fiio Q11)は6割、据え置きアンプ(TOPPING L30)は3割のボリュームで音量は同じくらいでしょうか。

ドングルDACを使用すると、低音域が若干薄くなりましたが、どの再生機器でも音質の傾向はあまり変わらずに鳴らせると思います。

ちなみに、スマートフォンに直接挿しても、ボリュームを8~9割ほどでしっかり鳴らせました。

 

他モデルとの比較

同ブランドのTruthearHEXAと比較してみます。

引用元:Truthear Official Store :NOVA :HEXA

モデル名   NOVA   HEXA
ドライバー構成  1DD+4BA  1DD+3BA
ドライバー  10mm-PU+LCP カスタムBA*4      10mm-PU+LCP カスタムBA*3    
   再生周波数帯域     8Hz - 40kHz  8Hz - 40kHz
インピーダンス  14.8Ω±15%  20.5Ω±15%
音圧感度  123dB/Vrm  120dB/vrms
筐体素材  樹脂  樹脂
リケーブル  0.78mm 2Pin  0.78mm 2Pin
ステム  -   6mm
ノズル  5.7mm  6.4mm
重さ  5.4g  4.7g
参考価格  ¥23,000  ¥12,000

筐体のサイズが全然違うのが分かると思います。

NOVAが圧倒的に大きいですが、装着感は良いと思います。

また、NOVAは音の密度があり濃厚です。

中・低音域の厚さがあり、迫力が違います。

高音域ではHEXAが軽く、聴きやすい印象があります

全体的にNOVAは滑らかで、一方でHEXAはほんのわずかですが粗さを感じます。

音の繊細さ、迫力、一体感といった要素を総合的に考えると、NOVAとHEXAの音質には差があると感じました。

NOVAは言うまでもなく素晴らしいですが、やはりHEXAも優れたイヤホンであることを再確認しました。

 

Truthearは昨年のHEXAに続き、この時期に素晴らしい一本を発売しましたね。

ブランドで最も高い価格になっているのも納得です。

NOVAは、誰にでもおすすめできる、間違いのないイヤホンだと思います。

聴けば聴くほど良さを感じます。

欠点を挙げるとすれば、「優等生すぎて、少し面白みに欠ける」程度です。

静かな部屋やカフェで、ゆっくり聴きたいイヤホンですね。

 
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日本代理店が決まり更に勢いを増すTruthear。

じきに日本での取り扱いもスタートすると思います。