See Audio x Tangzu『Shimin Li Encounter Edition』不具合の顛末とセラーの対応。

 

BraveryやYUMEが人気のSee Audio、高い評価を受けているZetian Wu、WAN'ER S.Gを送り出したTangzu、両ブランドのコラボモデルが販売されました。

 

See AudioはBraveryやYUME2の出来が良く、このブランドのイヤホンを追っていこうと思っていました。

また、Tangzuのイヤホンは聴いたことがありませんでしたが、どのモデルも評価が高いので素晴らしいイヤホンになると期待していました。

 

Shimin Li Encounter Edition

Tangzuから現行で販売されているShimin LiのチューニングをSee Audioが行い、カラーリングも変更したモデルになります。

販売からまもなくに購入しましたので、到着した本製品を早速見てみましょう。

 

RINKOとTangzuのイメージが合わさった、とても素敵なパッケージイラストです。

 

カバーを外すと高級感がある黒いボックスがお目見えです。

 

パッケージを開けると、カバーデザインのクロスが入っていました。

勿体なくて使えそうもありません。

 

クロスをめくるとアクセサリーが入っているボックスでてきました。

 

そしてイヤホン本体にプレートも付いています。

もうお腹がいっぱいで、この時点で満足してしまいそうです。

Tangzuは通常どの様なパッケージングをしているのか分かりませんが、このEncounter Editionに力を入れているのかが伝わります。

 

 

まずはイヤーピースです。

バランスタイプとベースタイプの2種、3サイズ入っています。

 

ベースタイプは軸が若干長いだけで、それ以外に違いは見当たりません。

また、イヤーピースの収まりが悪くホルダーからストンと落ちてきます。

イヤホンケースは柔らかい革で作られています。

 

付属のケーブルは0.78mm2pinでプラグは3.5mmSEです。

ケーブルは若干太めですが、取り回しに困ることはないでしょう。

線材はOFC5Nが採用されています。

 

内容物はこちらで全てとなります。

 

 

次はイヤホンを見ていきましょう。

綺麗な赤色です…が、ベントホールの精度が酷いです。

無理やりこじ開けて研磨加工がされていません。

工程飛ばしがあり、最後に穴を空けたとしか思えません。

 

極めつきはこれです。

フェイスプレートが歪み正しく装着されていません。

そして黒い粘着物でベタベタです。

 

左はもう無理ですね。

ここで撮影を終了します。

 

出音のチェックをします。

歪んだ左が僅かに音が小さいです。

一度気になってしまうと、もうまともに聴けません。

 

購入店のAngeldac Audio Storeに連絡をします。

3月9日注文。

3月20日到着、セラーに問い合わせです。

英語でやりとりをしていますが、クロームの翻訳を使用しています。

 

どうやら黒いベタベタはパッケージの糊とのことです。

これで終わらせる気みたいです。

 

試聴した内容をそのまま伝えます。

 

録画して送れとのことですが、かなり面倒です。

嫌気が差してきますが手順通りに行います。

しかし、スマホの撮影では音量差が分かりません。

 

音に問題があり証拠がないと取り合ってもらえないみたいです。

 

もう一度確認して終了します。

 

二度とAngeldac Audio Storeで購入することはないでしょう。

そう思いこれ以上のやりとりは諦めます。

 

ここからしばらく落ち込みます。

前回購入したイヤホンも質が悪く、今回もこの様な結果です。

もうイヤホン買うのやめようかと思っていました。

この話をした時にフォロワーさんから「紛争」でしょと言われました。

AliExpressを数年利用してますがトラブルに遭ったことがないので、この制度を忘れていました。

紛争の方法を調べているとTangzuから声明がありました。

3月26日の事です。

 

www.instagram.com

 

翻訳してみました。

要約するとWAN'ER S.Gのドライバーが混在してしまい、特定して回収をするのが難しい。

そこで、今回の対応として─────

1.そのまま購入したイヤホンを使用して新作のイヤホンとイヤーピースを無償で提供する。

2.返品し返金対応…ですが、1の対応でお願いしたいとのことです。

  恐らく送料がとんでもないことになるためでしょう。

 

正常なイヤホンが手に入らないのであれば、わざわざ返すこともないと思いました。

ここは新製品を頂きましょう。

癪ですが再度、購入店のAngeldac Audio Storeに連絡をします。

 

元気いっぱいに報告です。

 

ドヤ顔をしながら返信していきます。

 

定型文が返ってきたところで、新製品の販売開始を待つだけです。

問題はこの赤竜の鱗をどうするかです。

 

どうせ正常に聴けないのであれば、ドライバーを取り出してみようかと思いました。

ですが、今回は歪みを直してみることにします。

ヒートガンで塗装が溶けない程度に温めて、当て布をして叩いたり、押し付けたりするとキレイに戻りました。

出音のチェックをしましたが、音量差は気にならなくなっています。

無事、復活させることが出来ました。

 

 

簡単ですが音質のチェックです。

全体的に近い、特にボーカルが近い。

MOONDROPのLANが遠かったので、その差に驚いてしまいます。

中高音域がとても綺麗に出ています。

女性ボーカルの表現力が素晴らしい。

金属筐体のカチッとした音が出ます。

低音域、特にサブベースの質量はやや少ない。

全体的に力強くクリア、悪く言えば若干粗い。

皆様はどうでしたか?この音質と違いますか?同じですか?

 

これがどちらのドライバーか分かりませんが普通に良い音です。

パッケージング、筐体デザイン、音質、価格、RINKO、全て高水準で、大変気に入っています。

だからこそ今回のようなクオリティとトラブルは本当に、本当に、残念です。

今後See Audio x Tangzuは無いと思いますが、次回またコラボするならしっかりとしたクオリティを期待しています。

 

See Audio x Tangzu『Shimin Li Encounter Edition』を買われた方、買われる方へ。

・3月に買われた方は購入店に問い合わせ、返品対応か新製品の提供の対応を絶対に受けましょう。

・4月以降に買われた方は正常品だとは思いますが、不安であれば購入店に問い合わせてみてください。

・最悪、クオリティが酷ければ紛争を起こすのも手だと思います。

・購入したい方は正常なものが流通するまで待ったほうがいいかも。

 ですがディスコンになり、いつの間にか消えている可能性もあります。

・フリマサイトでの購入や中古品だけは絶対に避けた方がいいと思います。

 

2023年4月13日追記

画像TangzuがShimin Li Encounter Editionの生産中止を発表しました。

流通分で最後になると思います。

また今年の下半期に別バージョンの制作を予定しています。

 

 

Tangzuの今後の製品に不安は残りますが、対応は素晴らしいと思います。