TANGZU『Wan'er S.G Jade Green』レビュー。澄んだ音、色。

TANGZUの美しいイヤホン、Wan'er S.Gの新色Jade Greenを購入したのでレビューしつつ、その美しさを堪能しましょう。

Shimin Li Encounter Edition」の情報を得るためにTANGZUのアカウントをチェックしている時でした。

 

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tangzu公式Instagramより引用

発表されたイヤホンの美しいデザインに心を奪われ、いつしか発売を心待ちにしていました。

販売開始日に注文し、2023年6月15日に到着しました。

価格は3000円弱でした。

萌えな絵が描いているパッケージのイヤホンばっかり買っていると思ったら大間違いですよ!

こちらも女性の方ですが…。

そして!Wan'er S.G Jade GreenはVGP2023SUMMERを受賞しています。

なんと誉なことでしょう!

 

箱を開けるとパッケージデザインのクロスが出てきました。

Shimin Li Encounter Editionにも付いてきたので、TANGZUはこれがデフォルトなのでしょうね。

クロスをめくるとイヤホン本体とご対面です。

本体色を例えるなら、翡翠、メロンソーダマウンテンデューのような色です。

フォルムは後でじっくりと見てみましょう。

 

ケーブルはマイク付きで、コネクタはQDCです。

OFC銀メッキ線の4芯ケーブルです。

イヤーピースはバランスタイプ、低音タイプがそれぞれ3サイズ付属しています。

 

ケースがしっかりしていて3000円弱でこの内容には満足です。

 

本体の細部を見ていきます。

樹脂製のシェルは本当に綺麗です。

ビルドクオリティも高く、Shimin Li Encounter Editionの様なことはありません。

ソケットは0.78mm2Pinとメーカーで記されていますが、0.75mm2PinQDCタイプのコネクタでリケーブルしても問題ありませんでした。

 

シェルの厚さは標準的、本体の重さは片側3.5gでかなり軽いです。

ステムの太さは直径4.9mm、ノズル口径は6mmです。

装着感は良好です。

 

【製品仕様】
Wan'er S.G Jade Greenは、10mmのPETダイヤフラムのダイナミックドライバーが1基搭載されています。

感度:107dB

インピーダンス:20Ω

周波数帯域:20Hz-20kHz

【使用環境】

・TOPPING E30(AK4493)+L30

・KZ OFC銀メッキ8芯ケーブル

・TANGZU Tang Sancai Mサイズ

エージングは5時間ほどです。

 

今回はイヤピを交換し、リケーブルをしています。

マイク付きにケーブルは音質に関してあまり信用していません。

イヤーピースはSancaiを装着しています。

基本セットでの音質とは異なるのでご了承ください。

 

スッキリしています。

サブベースは大人しく、タイトな印象を受けます。

足りないことはなく、必要量を余裕をもって鳴らしてくれます。

重厚さを感じないので物足りないと思う人がいるかも。

やや硬めな印象を受ける中音域で、一番綺麗に力強くならせていると思います。

ギターからボーカルまでがメインで気持ちよく鳴らしてくれます。

ですが、音数が多くなると一気に解像度感が落ちます。

特に音圧が強い楽曲で苦手で、音量を上げると歪みやすいです。

高音域はシンバルまで、一番上は抑え気味です。

見通しが良くて澄んだ音が特徴です。

シャリつきもなく聴きやすいと思います。

音場は普通~広めです。

高音域が一番近く、女性ボーカルが近く聴こえます。

定位感も問題ありません。

左右がしっかりと分かれて聴こえるので、ギターやコーラスが楽しいです。

 

クセがなく中高音域を上手に鳴らします。

キレはありますが、若干の粗があり繊細さに欠けます。

苦手な楽曲は少ないイヤホンになっていると思いますが、クラシックなど迫力のある楽曲は向きません。

 

 

イヤホンデータベースから、価格や仕様が近いイヤホンをピックアップして比較してみます。

sat03.hatenablog.com

 

今回は「SIMGOT EW100P」と比較してみます。

・ケーブル Jialai - jldt3

・イヤーピース TRI 角笛 Clarion(Mサイズ)

 

モデル名 ブランド ドライバー構成 ドライバー 再生周波数帯域 インピーダンス 音圧感度 筐体素材 リケーブル ステム ノズル 重さ
Wan’er S.G TANGZU 1DD 10mm-PET 20Hz - 20kHz 20Ω 107dB 樹脂 0.75mm QDC 4.9 6.0 3.9
EW100P SIMGOT 1DD 10mm-LCP 20Hz - 20kHz 32Ω±10% 122dB/Vrms 樹脂 0.78mm 2Pin 5.3 6.1 2.8

価格はどちらも3000円前後のエントリー機です。

 


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評価用楽曲は宇多田ヒカル『One Last Kiss』です。

 

Wan’er S.G

音量差がありWan’er S.Gは鳴らしやすく、全体的にクリアです。

特にイントロは顕著に現れ、ピアノは解像度感が高く綺麗に聴こえます。

音場が広く、近めのボーカルやコーラスの定位感も良く54秒~からは立体感を感じます。

 

EW100P

対するEW100Pは滑らかな音でボーカルの表情が豊かです。

低音域は上手で、44秒~のキックをしっかりと鳴らせています。

また、ボーカルを邪魔せず上手くまとめていて質が高いです。

3分から最後までの盛り上がりは、迫力を出せるEW100Pが圧倒的でした。

 

元気が良く綺麗な中高音域、立体感を求めるのであればWan’er S.G。

ハーマンターゲットカーブのようなバランスが好みで表現力を求めるのであればEW100Pでしょう。

 

※あくまでWan’er S.GとEW100Pの相対評価になります。  

sat03.hatenablog.com

 

 


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3000円前後のエントリーモデルとして、購入の選択肢に十分入ってくると思います。

なにより買ってよかったと思える美しいデザインです。

 

マイク付きのケーブルが嫌いな私は数時間後に絶望するのでした。