水月雨(MOONDROP)『竹-CHUⅡ』レビュー。The End-Game of Entry-Level IEMs.

水月雨から竹-CHU2が発売されました。

現在発売されている竹-CHUは、2022年8月1日に購入したイヤホンです。

それ以降、様々な価格帯のイヤホンを購入してきましたが、今現在でもメインイヤホンとして使っている愛機でございます。

そんな竹-CHUの後継機となれば、発売開始と同時に世界最速で注文します。

そして、津軽海峡を越えるため、日本ではほぼ最後の到着となるリケーブル可能になったCHUII。

さぁ、見ていきましょう。

 

パッケージサイズはエントリーモデル特有の小さめサイズです。

イラストはここ最近の中では群を抜いて可愛い水月さんでした。

裏には周波数特性と仕様が載っています。

スペックはイヤホンデータベースにも追加していますので、ぜひ参考にして下さいね。

 

上蓋を開けるとイヤホン本体のお目見えです。

その下からは付属品が出てきました。

 

黒いシリコン製のイヤーピースはS、M、Lの3サイズで、少し硬く厚めです。

イヤホンケースも付属しています。

このイヤーピースとケースは蘭-LANに付属されていたものと同じです。

 

3.5mmのL字プラグ、コネクタは0.78mm2Pinです。

蘭-LANとは別のケーブルでしたが、線は細くてクセがつきやすいです。

よく見るとシールド加工が施されています。

ほかに説明書や合格証、イヤホンの装着方法を説明したイラストのカードが付いています。

 

イヤーピースが清泉ではなく、汎用品になったのは残念ですが、必要十分であります。

 

フェイスプレートのデザインはアシンメトリーとなりました。

材質は前作同様、フェイスプレート、シェルボディとともに亜鉛合金で作られています。

CHUとLANを足して2で割ったようなフォルムです。

重さは7.8g、ステム部の太さは5.1mm、ノズル口径は6mmでした。

ノズルは真鍮製で、ビルドクオリティの高さは文句のつけようがありません。

記事の後半ではCHU、CHU2、LANとの比較を行います。

 

装着感が大変素晴らしいです。

軽さ、大きさ、文句なし。

平らな形状のイヤホンとは全然違い、シェルの凹凸部分が丁度よく耳にフィットします。

遮音性もあり、イヤホンすべてが耳に収まります。

ユーザーがカスタムできない部分を突き詰め、それ以外はコストダウンを図った印象です。

 

【製品仕様】
竹-CHUⅡは、アルミニウム・マグネシウム合金が振動板素材に採用された、10mmの1DD機です。

これまで、このAl-Mg合金素材の採用は、一部の高級インイヤーイヤホンやフルサイズヘッドホンに限られていました。

比較的高価な振動板素材とされており、"CHU II "はこれを採用した初のエントリーレベルのIEMである。

引用元:CHUII|MOONDROP Official Website 訳:当ブログにて

感度: 119dB/Vrms

インピーダンス:18Ω±15%

周波数帯域:15Hz - 38kHz

【使用環境】

・TOPPING E30(AK4493)+L30

・付属ケーブル

・付属イヤーピース Mサイズ

エージングは未実施です。

 

CHUを聴く感覚で音楽を流すと、「えっ?」と、意表を突かれます。

音質はいわゆるハーマンターゲットカーブのそれなのです。

聴きこむと、よくこの価格でここまで作りこんできたなと驚かされます。

 

CHUの一番得意だった明瞭感全開の高音域は、若干鳴りを潜めました。

隠れたとはいえ、伝統の女性ボーカルの表現力は健在です。

CHUのようにキラキラと煌めく感じではないです。

 

滑らかで音が丸くウォーム寄りで、中・低音域は豊かに鳴ります。

音に厚みがあり、聴き疲れしない優しい音です。

ですが、楽曲の音色によっては少し粗が出ます。

 

低音域は「程よい」です。

ゴリゴリの低音ではなく、ふくよかな低音で気持ちがいいです。

サブベースもしっかりと前に出てきます。

 

分離感もあり、音が渋滞することはないです。

ボーカルは少し距離があります。

音場の広さは普通です。

決して広くはないですが、左右に広く振った音はしっかり広がります。

 

イヤーピースの交換やリケーブルを推奨します。

個人的に気に入ったのは…

イヤーピースは水月雨の清泉。

高音域が綺麗に鳴り、CHUの音に寄せてくれます。

音の粒立ち、残響感も綺麗に聴こえます。

ケーブルはKBEAR KBX4904です。

銀線がウォーム寄りで柔らかくなった音を全体的に引き締めてくれるイメージです。

 

  竹- CHU CHU Ⅱ 蘭- LAN
ドライバー構成 1DD 1DD 1DD
ドライバー 10mm-チタン  10mm-アルミ・マグネシウム 10mm-ベリリウム 
再生周波数帯域 10Hz - 35kHz 15Hz - 38kHz 15Hz - 37kHz
インピーダンス 28Ω±15% 18Ω±15% 32Ω±15%
音圧感度 120dB/Vrms 119dB/Vrms 120dB/Vrms
筐体素材 金属 金属 金属
リケーブル 不可 0.78mm 2Pin 0.78mm 2Pin
ステム 5.2mm 5.1mm 5.0mm
ノズル 6.0mm 5.9mm 5.8mm
重さ 7.6g 7.8g 9.3g

フォルムは前半分がLAN、残り半分はCHUといった形状です。

重さやノズルともに、CHUから変わっていないと思って問題ないでしょう。

 

女性ボーカルや高音域に特化したCHUより、LANやARIAのバランスに近いです。

CHUはCHU、CHU2はCHU2で後継機ではあるものの、両機は代わりになりません。

CHUを聴いて足りないと思っていた人はこれで補完されるでしょう。

 

LANはダイレクト感があり、あっさりしています。

明瞭感もありますが、CHU2のような音の厚みや柔らかさはありません。

価格差と音質差はイコールではありません。

 

バランスよく完成されたド真ん中の音です。

飛び道具的なものが必要ない、ハーマンターゲットに飽きていなければ1万円以内はCHU2でいいと思います。

水月雨(MOONDROP)竹-CHUⅡは間違いなくお勧めできる1本です。

 

水月雨(MOONDROP)公式ストアという出品者が正規販売店です。