水月雨から人気機種ARIAの後継機、「ARIA2」が発売されました。
記事では、新機種ARIA2の音質や性能を中心にレビューしていきます。
また、筆者をイヤホン沼へと落とした「ARIA Snow Edition」との違いについても触れていきます。
さぁ、見ていきましょう。
価格は比較的手の出しやすい約90ドルでした。
デザインはステージ上でヴァイオリンを演奏する水月さんを、後ろから見た構図となっています。
光と影のコントラストが際立ち、Aria2の文字はサイン風で可愛らしいフォントが使われています。
裏面には、いつも通り仕様が詳細に記載されています。
やはり、価格とパッケージサイズは比例していると思います。
化粧箱はドット柄にデザインされており、その中には本体とアクセサリーが収められています。
今回は様々なアクセサリーが入っていて、とても楽しみです。
ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
少し硬めの4芯ケーブルで、0.78mm 2Pinコネクタとなっています。
プラグは3.5mm3極で一般的なデバイスとの接続が可能です。
さらに、4.4mm5極プラグも付属しています。
ネジ式によりプラグの交換ができるタイプです。
4Pinのコネクタを接続してカバーで固定する仕組みになっています。
プラグ交換式のケーブルを知っていましたが、実際に見るのは初めてです。
この多様性は非常に便利で、好みや使用する機器に応じてSE接続とバランス接続の両方が可能なのは素晴らしいですね。
イヤホンケースは豪華な革製となっています。
その質感は非常に素晴らしく、これまでに見てきた付属ケースの中でもトップ3に入るほどの品質です。
※ハニワは付属していません。
シリコン製のイヤーピースは、厚みがあり柔らかく、しっかりとした作りとなっています。
また、説明書やカード類も同梱されています。
付属品は満足できるものが揃っています。
イヤホンケース、プラグ交換式ケーブルなど、付属のアクセサリーが進化していますね。
では、次にイヤホン本体はどうなっているのでしょうか?
じっくりと見ていきましょう。
フェイスプレートはドット柄で、0.78mm 2Pinソケットが備えられています。
目測だけですが、Starfield2と同じ筐体だと思います。
ビルドクオリティに問題はありませんでした。
CHU2から引き続きノズルは交換可能となり、ノズルやフィルターは安価で修理できるとのことです。
サイズはもちろんCHU2と同様で、直径6mm、ステムの太さが5.1mmでした。
ベントはStarfield2と同様になっており、ベースブースタープラグが装着可能でした。
合金鋳造と削り出しで加工されたシェルの重量は片側11.4gでイヤホンとしては重たい部類に入ります。
【製品仕様】
ARIA2は、セラミックコートされた球面ドーム型複合振動板を採用したダイナミックドライバーを搭載した1DDイヤホンです。
※メーカーからの公表はありませんが、おそらく10mmだと思います。
新開発のTiNセラミックコーティングドーム複合振動板を採用しています。
3つの素材を2段階に加工することにより、メタルコート振動板を超える滑らかな高音特性と、他のクリスタルコート振動板を上回る超低歪み性能を実現しました。
粒状感や粗さのない、優れた高音のディテールと伸びを実現します。
・感度:122dB/Vrm@1KHz
・インピーダンス:33Ω±15%@1KHz
・周波数帯域: 16Hz-22kHz
【使用環境】
・TOPPING E30(AK4493)+L30
・付属ケーブル(SE接続)
・付属イヤーピース(Mサイズ)
・エージング50時間
なぜ、このブランドのイヤホンは、ボーカルが綺麗に聴こえるのでしょうか。
ボーカルが近く美しく感じられ、厚みのあるドッシリとしたサウンドで聴きやすい印象です。
個人的に、非常に好みの音域バランスで綺麗にまとまっていると思います。
高音は過度に強調されず、キツさを感じることはありません。
明瞭感はありますが、若干の粗さを感じる部分があります。
少し暗めで厚みのある滑らかな中音域です。
伸びと艶があるボーカルが素晴らしい。
分離感は十分で演奏も際立ちます。
筆者はこの機種の中音域を高く評価しています。
柔らかくドッシリとした低音域が前に出てきます。
そこまでの深さはありませんが、しっかりと圧があり、迫力のある音になっています。
余韻を残し、キレがあるタイプではないので、早い楽曲への追従は及第点です。
音場は普通~広め、左右に広く立体的に感じます。
定位感に問題なく、ブレることはありません。
他モデルとの比較
モデル名 | ARIA2 | Aria Snow Edition |
---|---|---|
ドライバー構成 | 1DD | 1DD |
ドライバー | 10mm-セラミックコート | 10mm-DLC |
再生周波数帯域 | 16Hz - 22kHz | 15Hz - 50kHz |
インピーダンス | 33Ω±15% | 32Ω |
音圧感度 | 122dB/Vrms | 119dB |
筐体素材 | 金属 | 金属 |
リケーブル | 0.78mm 2Pin | 0.78mm 2Pin |
ステム | 5.1mm | 5.4mm |
ノズル | 6.0mm | 5.4mm |
重さ | 11.4g | 9.9g |
備考 | ノズル・プラグ交換可 | - |
参考価格 | 90ドル(USD) | 80ドル(USD) |
本体の形状に大きな違いはないものの、ARIA2が長く、若干大きいです。
装着感に関してはS.E.が良いと感じました。
聴き比べを行うと、明確な違いを感じます。
決定的な違いは音の厚みです。
2は音が厚く派手な印象を与えますが、SEはすっきりとして控えめな印象です。
低音・高音においては、2が特に力強く表現され、音の輪郭がはっきりしています。
ただし、若干粗さを感じる部分もあります。
ボーカルに関しては、どちらの機種も上手に表現されていますが、2は少し近く感じられます。
ARIA2は、ARIA SEの良いバランスを残しつつ、音質は確実に進化していると感じました。
アクセサリーについて
付属のケーブルとイヤーピースの品質は高く、音質にも問題はありません。
ただし、自分好みの音質に調整するために交換するのもおすすめです。
ケーブルは音質バランスに影響を与えにくい、BIGMANGO-Suzaku、JSHiFi-Nocturne。
イヤーピースには中・高音域を安定させる、AZLA SednaEarfit MAX。
これらの組み合わせが個人的に印象が良かったです。
アンプについて
スマホの直挿しでも十分に鳴らすことができました。
ですが、ドングルDACなどのアンプを挟むことで、ARIA2の迫力ある音が楽しめると思います。
また、DACチップはAKMのサウンドが適していると感じました。
既存のARIAシリーズを購入した方にも満足できる仕上がりになっていると思います。
音が厚く重厚感あり、ボーカルが美しく聴こえるイヤホンが好きな人に。
エントリー機からもう一つ上の性能を求める人に。
ARIA2をおススメします。
ARIA2は、ブランドの基準やトレンドに適応して進化してきました。
CHU2やStarfield2、そしてBlessing3とこれまでの後継機が相次いで登場しています。
既存のイヤホンについても後継機が製作されているとの噂があるので、新作の発表が楽しみですね。