FiiO「Q11」レビュー。小さくたって、パワフル!でも…どこまで鳴らせる?

ポータブルアンプを試してみたくて色々と調べた結果、ユーザーが多く安価なFiiO「Q11」を購入してみました。

パワフルでとても良い製品だったので紹介します。

初期設定や基本的な使い方、音質、どこまで駆動力があるか検証してみます。

 

せっかくパッケージが美しいので見ていきましょう。

ブルーとシルバーがベーシックのデザインで、キラカードのように反射して素敵です。

正規輸入品には株式会社エミライのステッカーが貼られているのですね。

 

カバーを外すと黒い化粧箱がでてきました。

箱を開けると付属品が入っています。

付属品はマニュアルと保証書、滑り止め用シリコンパッド、再生機に固定するシリコンバンド、各種ケーブル(USB A to Type-CType-C to Type-CType-C to Lightning)

あらゆる使用状況が考えられた付属品一式になってなっており、PCやスマホ等の再生機器とQ11があれば他に必要な物はないでしょう。

更にその下にはドープなQ11が鎮座しています。

 

サイズは10cm×6cmのミニマムサイズでイキった名刺入れと同じサイズです。

重さは142gでスマホより軽いです。

取り回しはドングルDACと同じ…とは言えませんが、そこまで邪魔にならないですね。

 

 

フロントパネルを見ていきましょう。

出力は3.5mmアンバランス接続と4.4mmバランス接続に対応しています。

GAINはHighとLowの切り替えが可能ですが、基本はLowで良いと思います。

そして電源ON-OFFスイッチ付のボリュームコントロールです。

 

入力端子はUSB Type Cのみで、いわゆるUSB DACになります。

DACチップは「CS43198」です。

アンプ回路はFiiOオリジナル。

また、LINE INはないのでアナログ入力は不可です。

USBケーブルを接続するとインジケータが点灯しました。

 

ボリュームコントロールを回し電源を入れると、小窓から見える基板がLEDで照らされます。

通常時~48KHzが青色、48KHz~が黄色、DSDが緑色に点灯。

これがとてもカッコいいのです。

サンプリングレートはPCM384kHz/32bitまで。

2600mAhのバッテリーを搭載し、最大13.5時間の連続再生が可能とのことです。

1日の外出ならば困ることはなさそうです。

 

使用前にQ11のサポートページからファームウェアの更新をしましょう。

www.fiio.jp

上記のリンクからQ11のファームウェアを更新します。

更新の方法はQ&Aに細かく記されています。

 

またPC用にドライバーも公開されています。

ASIOの設定が可能になります。

ですが、エラーが出てダウンロードできませんでした…。

※2023年10月8日現在

forum.fiio.com

代わりにFiiOの本国サイトからダウンロードしてPCにインストールしました。

※ダウロード・インストールは自己責任にて

 

スマホアプリ「FiiO Control」を使えば、デジタルフィルター等の設定が可能になります。

FiiO Control

FiiO Control

  • 广州飞傲电子科技有限公司
  • ユーティリティ
  • 無料

apps.apple.com

play.google.com

 

まずは基本スペックの確認です。

165mW(シングルエンドヘッドホン出力 / 32Ω負荷時 / THD+N<1%)

650mW(バランスヘッドホン出力/ 32Ω負荷時 / THD+N<1%)

75mW(バランスヘッドホン出力 / 300Ω負荷時 / THD+N<1%)

駆動力があり、特にバランス接続は強力ですね。

無音で音量を上げてもノイズはありませんでした。

発熱もほとんどありません。

また、ギャングエラーもなく大変優秀です。

では、実際にイヤホン・ヘッドホンに接続して聞いてみましょう。

USBとプラグを挿して、ボリュームつまみを回すだけで準備完了です。

 

vs. 水月雨 Starfield II

(15Ω±15% 122dB/Vrms) バランス接続

音質は全体的にスッキリとしていて、音の分離感が良いです。

クセがなく、バランスよく鳴らしていると思います。

中・低音域もしっかりでているので迫力のある音が楽しめます。

懸念していたポタアン特有の中・高音のみがキツくなり、耳に刺さるような音はありませんでした。

 

vs. KZ PR2

(16±3Ω 96±3dB) バランス接続

平面駆動のPR2は感度が低い機種ですが、余裕で鳴ります。

いつもは据え置きのアンプで聴いていますが、Q11でも遜色なく鳴らします。

ほかに何機種かイヤホンを試しましたが、多ドラのイヤホンでも困ることはなさそうです。

 

vs. SONY MDR-MV1

(24Ω 100dB/mW) アンバランス接続・バランス接続

両接続とともにしっかりと鳴らすことができます。

ボリュームはアンバランス接続で12時の方向、バランス接続は10時~11時の方向で十分に鳴らせました。(ローゲイン)

駆動力もそうですが、バランス接続がクリアに聴こえて音質も有利です。

 

vs. Fostex T60RP

(50Ω 92dB/mW)アンバランス接続・バランス接続

ここから難しくなってきます。

ボリュームはアンバランス接続で3時~4時の方向、バランス接続は2時~3時の方向で音量は足ります。(ローゲイン)

両接続と共に歪みはほとんど無いのですが、鳴らしきるまでもう一歩といった印象です。

ハイゲインにすると歪みが出て聴くに堪えないです。

 

vs. AKG K701

(62Ω 105dB SPL/V) アンバランス接続

鳴らしにくいと言われているK701で試します。

また、リケーブルができない本機はアンバランス接続のみです。

ボリュームはローゲインで3時の方向。

T60RPと違い中高音域だけキツくなり、耳が痛くなります。

歪みがあり、K701の美しい音は聴くことができませんでした。

Q11でK701を鳴らすのは難しいですね。

 

 

vs. beyerdynamic DT990Pro

(250Ω 96dB) アンバランス接続

結果は分かっていますが、高インピーダンス機のDT990Proでも念のため。

ボリュームはローゲインが4時~MAX、ハイゲインで3時

K701同様に中高音域だけキツなり歪みが酷く、キンキンと耳が痛くなるだけ。

音量は足りていますが一切ドライブしません。

 

この辺りを鳴らしたい場合は素直に据え置きのアンプ、更に出力の高いポタアンを選択をすることになります。

イヤホン~駆動力をあまり必要としないヘッドホンはQ11で問題なく鳴らすことができました。

 

基本はバランス接続を推奨します。

駆動力があり余裕をもって鳴らすことができます。

明瞭感が増し、音質的にも有利だと思います。

特に音量を上げた時の歪みの差は顕著に感じられました。

 

 

価格は15000円前後です。

価格的にお勧めできるポータブルアンプで、入門機のファーストチョイスで間違いないと思います。

  • イヤホンユーザー
  • スマホで音楽を楽しんでいる方で、本格的に良い音で聴きたい方。
  • ごつくないスタイリッシュなポタアンが欲しい方
  • ドングルDACよりもう1~2段階ほど上の駆動力が欲しい方。

に、特におすすめできる製品だと思います。

www.fiio.jp

正規輸入品の購入については上記リンクとAmazonの出品者情報をお確かめください。

 

初めてのFiiO製品でしたが、さすがFiiO、さすふぃお。

とてもファンが多く人気があるブランドで、実際に素晴らしい製品が提供されていますね。

筆者はずっとPCで聴いていますが、もうコレでいいかな…と思ってしまうほどのアンプです。