beyerdynamic社は1924年に設立されたドイツのオーディオ製品のメーカーです。
『DT990PRO』というヘッドホンは人気があり、beyerdynamic社のベストセラーモデルになります。
私もこのヘッドホンを購入して素晴らしい音を楽しんでいます。
その音質はいわゆるドンシャリです。
最大の特徴であるズッシリとくる低音域、音源にはよっては刺さってしまうほどの高音域です。
開放型で空間も広く、意外と滑らかな音で不思議と聴き疲れしません。
この機種でしか味わえない音質があります。
価格も2万前後と比較的安いので、ぜひ「2本目」におすすめしたいヘッドホンです。
いつもと違った楽しいリスニングができるはずです。
感度は96dB、インピーダンスが250Ωと高く、DT990PROの全てを堪能するにはヘッドホンアンプが必要になります。
そしてケーブルは着脱式ではなく、リケーブル不可になります。
きっとこのヘッドホンでリケーブルできれば面白いだろうな、と誰もが思うはずです。
と、前回はジャックを取り付けてケーブルの着脱式仕様に改造しました。
音質の変化を楽しむことができて、成功したのですが…人は愚かな生き物です。
更に変化を求めてしまいます。
そこで今回は、DT990PROのバランス接続に挑戦してみます。
使うジャックは前回同様、MiniXLRのジャックで4Pin(4極)を取り付けます。
ジャックは同じ形状なので取り替えるだけでいいのですが、ハウジングの穴開け作業も新たに行います。
今回装着するジャックはREAN「RT4MP」です。
ハウジングの外側からねじ込むタイプです。
また同じMiniXLR4Pinにはこちらの「RT4MPR」があります。
こちらはハウジングの内側から取り付けます。
ただ、こちらは突起部分が邪魔をするので今回は使用しません。
では「RT4MP」に合わせて穴開け作業していきましょう。
失敗してもストックがあるので大丈夫です。
まずはルーターである程度開けていきます。
ユニファイ7/16-32というタップでネジ山を切ります。
ジャックのはんだ付けをします。
ヘッドバンド内を通してR側へ繋ぐケーブルは、MOGAMI2944を使用します。
MOGAMI2893の端材を使ってL側ドライバーへ繋ぎます。
ピンアサインを確認しながらハンダf付けしていきます。
線を先に通してハウジングにジャックを組み込んでいきましょう。
手で回るところまで回します。
最後はプラグをドライバー代わりにしてシッカリ回します。
綺麗に装着できました。
ネジ止めされているので、接着剤を使用することなくしっかり止まります。
配線をします。
断線防止にジャックの部分に、またケーブルが動かないようにグルーガンで固定します。
R側も配線を終わらせます。
ハンダ付けはサッと終わらせます。
長く当て続けるとボイスコイルが切れる恐れがあります。
スポンジを敷いて抑えのリングをはめ込みます。
後はアームに取り付ければ完成ですが先にテストをしておきます。
しっかりと左右から音が出ます。
バランス接続の問題がなかったので組み上げてしまいましょう。
左右のアームに取り付けします。
ヘッドバンドは配線を通してから巻いてボタンを留めます。
最後にイヤーパッドを装着して完成です。
ケーブルはMOGAMI2893を使い製作しました。
MiniXlR4pinと4.4mm5極のプラグです。
beyerdynamicの他機種でも使用できるように合わせています。
では、このケーブルを使って試聴してみましょう。
最初に感じたことは、以前より少ない音量でしっかりと鳴らしきれています。
音質の変化はについてですが…
締まりのある低音になりバシッと決まります。
太いベーススラインがグイグイきます。
ズシッズシッと、迫力のあるドラム。
スネアの音が気持ちいい。
速い曲も余裕でついてきます。
中・高音域の滑らかさはなくなりましたが、クリアになり見通しが良くなりました。
ボーカルが近くなりました。
楽曲によっては「ス」が若干刺さります。
どのジャンルの楽曲を聴いても楽しいです。
EDMとの相性もよく、凄まじい没入感でした。
満足のいく改造ができました。
黒いイヤーパッドに換えてみましたがカッコよくなりました。
おススメです。
保証や価格面でもAmazonよりもサウンドハウスでの購入をおすすめします。
今回のケーブル作りの様子は他のケーブルとまとめて紹介します。