オーディオテクニカのATH-A900Xが、ジャンク品として格安で売られていたので、修理や改造をしてみましょう。
到着したA900Xを見てみます。
イヤーパッドの合皮は剥がれてボロボロな状態です。
ですが、全体的に状態が良く、ハウジングは傷一つありませんでした。
ケーブルを見てみます。
AD500Xのようにポロポロと剥がれないようにスリーブで覆われているので問題ありません。
プラグは無水エタノールで汚れを落とし、コンタクトスプレーを吹いておきます。
ここで出音に異常がないかチェックしますが異状なし。
外装のチェックをしますが何一つ壊れていませんでした。
販売後のトラブルを回避するためのジャンクでしょうか…
ネジ4本でプロテクタが外れるのは密閉型・解放型と共通ですね。
解放型のATH-AD500X同様、リケーブル可能にしたいのでケーブルはカットします。
基本的な構造は変わらないですね。
ドライバーユニットまでアクセスできました。
太い線から黄色がL+、赤はR+、黒がLR-です。
細い線はR側のドライバ-ユニットへと繋がっています。
両側のドライバーユニットを切り離しました。
最後にアームからハウジングを着脱します。
アルミのハウジングに接着されていた吸音材を剥がし、フレームと分離させます。
ハウジングとフレームの間にはガスケットが挟まれていました。
ヘッドバンドの分解は意味をなさないのでここまでとします。
濡らしても問題がないパーツは全て洗剤を使って水洗いします。
ヘッドバンド、ドライバーユニットはアルコールを用いて清掃しておきましょう。
ここまで特に難しい作業はありませんでした。
組み立てていきましょう。
まずはヘッドパッドを戻します。
はめ込むだけなので簡単です。
まずはジャックの余分な部分をリューターで削ります。
フレームのケーブルが通っている部分を利用してジャックを埋め込みます。
AD500X同様にフレームは二重構造になっているので、内側がジャックをかわせるように穴を広げます。
次にフレームの外側がジャックのネジ山に合うように、M7P0.75のタップでネジ穴を作ります。
これでジャックの取り付けは完了です。
接着剤を使わないので、元に戻したい時は簡単に戻せます。
見える部分はねじ立てしかしていないので、見た目が悪くなることもないでしょう。
※複数購入する場合は電子部品屋さんで買うと安く済みます。
仮合わせをすると、ハウジングの穴が合わなかったので削ります。
問題なくハウジングに収まりました。
ガスケットもジャックの部分だけカットしておきます。
プロテクタと合わせると、ジャックの部分が当たって浮いてしまいます。
こちらもAD500X同様に、プロテクタのジャックが当たる部分を削ります。
問題なく組み上げることができました。
フレーム付きのハウジングをアームに装着します。
R側からドライバーユニットを組み込みます。
緑色の目印がプラス側になっていました。
赤い線ではんだ付けをしてドライバーユニットの抑えをネジ止めします。
プロテクタをハウジングに装着してR側は完成です。
続いてL側を組み込んでいきましょう。
線材はリッツ線に換えました。
ジャックを配線します。
今回はMDR-MV1やT60RPで使うケーブルを使い回したいので
同じピンアサインにします。
吸音材を戻して組み上げていきましょう。
ジャックのはんだ付けした部分をグルーガンで固めておくと断線の防止になります。
出音のチェックです。
シングルエンド、バランスともに問題ありませんでした。
最後にイヤーパッドを戻して………捨てたのを忘れていました…。
ヨドバシカメラは注文した日に持ってきてくれるので助かりますね!
初めて純正のイヤーパッドを買った気がします。
https://www.yodobashi.com/product/100000001001482748/
完成しました!
肝心の音質ですが…ケーブルが短くなるだけでも音が明るくなります。
バランス接続にすると力強い音になり、輪郭もハッキリします。
なにより取り回しが良くなったのが嬉しいですね。
実はATH-AD900Xも同様の作業をしています。
こちらはATH-A500Xと同じ作業内容になったのでブログには書きませんでした。
オーディオテクニカの密閉、開放やグレードの違いで音がどう変わるのか比較した記事を書いてみたいと思います。