人気みたいですね。
YouTubeの「THE FIRST TAKE」では、ボーカルの方がいつも付けているヘッドホンです。
また、定番のモニターヘッドホンとして長年評価されています。
私も1本所持しています。
当時のバンド仲間から勧められて購入しました。
ギターの練習や音作りに大活躍だったMDR-CD900ST。
しかし、今では使われる事もなくなり、観賞用として置かれています。
─────なぜ、使わなくなったのか。
・楽器を辞めてしまった。
・他に優秀なリスニング用のヘッドホンがたくさんある。
・6.3mmプラグが嫌。
主な要因はこの3つになります。
特にプラグは今の環境で使うのが面倒です。
変換プラグの付け外しが億劫なのです。
2.5mあるケーブルも長いです。
立って使うことがあったので重宝していたのですが、今では邪魔でしかありません。
しかし、せっかくのMDR-CD900STをこのままにしておくのは勿体ない。
身に付けたスキルを使うときが来ました。
以前ATH-AD500Xにジャックを取り付け、着脱式リケーブル仕様に改造しました。
MDR-CD900STも同じように改造することで使用率が上がると思います。
さっそく準備しましょう。
今回は3.5mmの4極ジャック取り付けに挑戦しようと思います。
同じSONYのMDR-100Aの修理をした際に作った4極ケーブル。
頑張って作ったケーブルです。
このコネクタを装着することで、所持しているSONYのヘッドホンは全てこのケーブルで使い回せます。
まずはジャックコネクタの選定です。
右が4極ジャックの「MJ-064H」です。
黒が良かったのですが、灰色なのが残念です。
この他にも4極のジャックがありました。
こちらも同じメーカーから出ている、絶縁しないタイプのジャックです。
今回、取り付ける部分の材質がプラスチックなので問題ありません。
他に違う点があるか調べてみましょう。
図面を見てもよく分かりませんでした。
ナットを前から止めるか、後ろから止めるか、の違いはありそうです。
今回はMJ-64Hを使います!
理由は…家にあったので…
では、問題なく装着できるスペースが有るかチェックです。
図面で見る限り10mmの幅があれば良さそうです。
大丈夫ですね。
ちゃんと現物合わせをしないと泣きを見ることがあるので…あったので確認しておきましょう。
問題ありませんでした。
安心して穴を開けられます。
念のためプラグの経も測っておきましょう。
プラグも問題ありません。
プラグが太いとハウジングに干渉して、ジャックに挿せなくなります。
プラグがジャックより細いので問題ありません。
9.1mmなので当たり前ですが。
このスキマが少し目立ちますが、これのおかげでMDR-1A等に装着できます。
ジャックの色がケーブルと同じ色なので、灰色でもそこまで違和感ないです…ないですよね?
次は穴あけ位置の確認です。
ケーブルを通している穴をそのまま使うのは難しそうですね。
もっと中心に穴を開けないと、ジャックやプラグが干渉します。
出来るだけ中心に穴が開けられるかが、大事なポイントになります。
今回は失敗してもやり直せるので気が楽です。
このMDR-CD900STのハウジングは部品で販売しています。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/162506/
最悪失敗しても、気に入らなくても元に戻せます。
サウンドハウスさんにはハウジング以外にもたくさんパーツがあります。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/282308/
1個980円で赤・青・黒があるので好きな組み合わせができます。
耳が痛くならないのが良く、かなりコスパが良いと思います。
モニター用として使うのであれば純正が良いと思いますが、リスニング用で使うのであればこちらも良いと思います。
左のイヤーパッドを外してネジも外します。
大事な部分とご対面です。
ミクロングラスを優しく外します。
ハウジング内部です。
上部からヒョロっと来ている細いケーブルは、ヘッドバンド内を通ってR側に伸びています。
左からうねって来ている太いケーブルは外部からのケーブルです。
テスターで極性を調べていきます。
太い線(外部から)黒LR−、白L+、赤R +
細い線(R側へ)赤R+、銅R−
謎はすべて解けた、と思います。
R側の線は外してしまいます。
L側のドライバーユニットを経由せずに直接ジャックに付けてしまいます。
赤い太線も外して、黒と白だけにします。
この段階でケーブルを切り離します。
長年ありがとうと…感謝の…
斬ッッッ!!!
これでドライバーユニットは自由になりましたので、ハウジングの作業に入りましょう。
いつか出番が来るかもしれないので、宝物庫へ入れておきましょう。
ブッシュを引っ張って取ります。
では、始めます。
ガリッ・・・ゴリッ・・・
わりと柔らかいです。とにかく上に、上に、上に。
プラスチックが柔らかいので、すぐに削れます。
想像より楽です。
だいぶ上に来ました。
下の突起が絶対に邪魔になるので、ペンチで切り落としてから削ります。
この角度からだと分かりにくいですが除去できました。
もう少しです。
ほんのあと少しです。
ネジ山を作って止めるのも良いですね。
強く押したら入りました。
傷がついたのでコンパウンドで磨いておきましょう。
ダメです!ナットが取り付けられません!
スペースが足りないので、もっと中心に穴を開けないといけませんね。
もしくはもっと肉薄のナットを取り付けるか、です。
外の寸法ばかり確認して内部はノーマークでした。
今回はアレで固定します。
熱伸縮チューブを先に通して穴から外にケーブルを出します。
穴から出してハンダ付けします。
その前に、4極ケーブルを使ってジャックのピンアサインを調べます。
使用するケーブルのプラグのピンアサインを当てはめます。
今回はこのピンアサインで配線すれば問題ありません。
※配線する時は、自分が使用するケーブルの極性に必ず合わせて下さいね。
線の色をジャックに塗っておけば間違えることがなくて楽でした。
青は…違いますけどね…
音が出るかチェックします。
問題なく左右から音が出ています。
ジャックをハウジングに戻したら熱収縮チューブで保護します。
グルーガンの海に沈めます。
強力な接着力なので抜けることはありません。
1カットを入れたミクロングラスを戻します。
切った隙間からケーブルを出すとキレイに収まります。
ネジを締めてイヤーパッドを取り付けます。
イヤーパッドの縁がフニャフニャになってしまったら、ドライヤーで温風を当ててあげれば元に戻ります。
当て過ぎると溶けるので気をつけて下さいね。
完成です!
うん。よきかなよきかな。
本当は黒いジャックが良かったのですが、4極がこの色なら仕方ありません。
一部だけピカピカになってしまいましたので、ちゃんとコンパウンドをかけます。
おっと!頭のデカさがバレる写真だ~
試聴してみましょ~
あれ?こんなに音が良かったかな?
久しぶりに使いましたが、ちょっと驚きです。
音のニュートラルを聴かせてくれるヘッドホンです。
使いやすくなったので、使用率も上がりそうです。
今回の作業はATH-AD500Xの時より簡単です。
ピンアサインに手間取ったくらいで困ったことはありませんでした。
ナットの取り付けは、多分無理だろうなと思ってたので想定内です。
間違いなく誰にでも出来ます。
失敗してもMDR-CD900STのパーツは豊富なので安心して作業できます。
興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
Twitterにでも連絡いただければ、こんな僕で良ければサポートいたします。
(ふふふ…次はもうちょっと難しいのにチャレンジするのんな~)
「れんちょん!?」